昇り降りの日々

学務様が見てる

傲慢と脳内垂れ流し怪文書

他人に指図をするのは気持ちいいものだ。ましてその他人が間違っていたとしたら、義憤に駆られ、己の正義をも満たすことができる。

人間はきっと、感情で行動するときにある種の快感を覚えるのだと思う。その感情に酔い、状況に酔い、自分の欲望だけを満足させるのだ。

感情の貸借と他人への押し売りも、いずれその報いを受ける。それは実質的な生産ではなく、上面だけで完成した砂上の楼閣の綻びを、永遠に直し続けるようなものなのだ。

 

正しい街に帰ってきたはずなのに、全てが間違っているように見える。ただひたすらに思考が暴れて、心が内蔵全てを破壊して回っている。

羨ましい、という言葉が正しくて、でもそれがほんの少しだけでも近づくと「いらない」と思ってしまう。僕はいったいなにが欲しいんだろう。愛されたいならそう言えばいいのに。

 

もうすぐ梅雨がやって来る。止まない雨は無いけれど、そのタイムスケールにも思いを馳せられるままの僕でいたい。

 

 

 

リセットボタン

脳の中がとっ散らかってるのでとりあえずアウトプットする。あとで書き直す。

 

小学生の頃、対戦ゲームをよくしていた。親に黙ってゲームボーイを持ち出し、友人のそれと通信ケーブルをつないだ。こんなシチュエーションで、ゲームが不利になったととわかると電源を消したり、ケーブルを抜いたりしてリセットすることでその対戦をなかったことにする人間がいた。彼の中でその負けは無かったことになるのだ。

ゲームの話をしたいわけじゃない。でも僕もよくリセットボタンを押す癖がある。

人間関係の清算Twitterのアカウント、過去の失敗をなかったことにするためにその痕跡を消し、何もかもなかったことにしようとする。中学高校の思い出したくない記憶を友人たちに押し付け、関係を断つことでそれを清算してきた。

 

僕はまた、これまでとはまた違った、大きめのリセットボタンを押そうとしている。

 

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僕に近づかないで

こんな僕でも、少ないながら自信をもって友達と言える人はいる。

でもその中には、「きっと同じ大学や組織にいたら、友達になるどころか嫌われていただろう」という人達がいる。

彼らが言う「こんな人が嫌い」と言うものに僕はまるっきり当てはまっている。近くで生活をしている人たちからはそれをよく注意されたりする。でも遠くの人たちは普段の僕がどんな行動や性格をしているのか知らない。

躁状態の僕しか知らないのだ。楽しいことをしているだけの僕、友人の言葉に首を縦に振る僕、そんな都合のいいことだけをしている。

その人にとって都合のいい部分だけを晒して、それ以外の部分は、また別の都合のいい人間に晒している。僕は僕を切って分けて、人によって見せる部分を変えている。

 

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大人

自己紹介をします。

スクリーンネームははしご、もうすぐ大学院生の22歳です。

 

そう、22歳なのだ。わかるか、君は「大人」なんだよ。

本当は「社会人」として世にでて、「社会」に貢献しなければいけない歳なんだ、わかるかい?君は一円も自分で稼いでない。アルバイトはそれに入らないよ。税金も納めてないのに文句を言うなよ。自分で選んだ道だろ、もう「大人」なんだから、しっかりしなさい。

 

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想定通りの想定外

こんにちは、高校生の僕。卒業パーティーは楽しめましたか?彼女は大事にしていますか?卒業おめでとう。僕は4年後の君です。僕は無事に留年もすることなく、ストレートで卒業を決めました。でも卒業するまでにちょっとだけ苦労することを伝えておきます。まあ、僕が悪いんだけどね。僕は今、論文を読むことを諦めてお酒を飲んで暖かい布団の中で音楽を聞いています。最近またUNISON SQUARE GARDENにはまっています。オリオンをなぞってた彼らです。多分CIDER ROADというアルバムは発売されてるはずなので聴いてみてください。「シャンデリア・ワルツ」という曲がお気に入りです。

 

さて、君は無事に志望校に合格して、未だ見ぬ物理(もしくはアカデミア)の世界への憧れを抱いていることでしょう。意外かもしれませんが、僕は今物性系の研究室にいます。今の君は素粒子が世界の全てだと思っているかもしれないけど、思いの外物性も面白いんですよ。学生生活も、想像していたものとは違うけど、それなりに充実しています。相も変わらず先輩には恵まれています。少ないけれど、大切だと思える友達もいます。今振り返ると4年間は想像以上にあっという間で、何もかもが新しかった高校時代とはちょっと違ったなぁ、と感じています。あと、これだけは言っておかなければならないのですが、君はまたオタクに戻り、ついにアイドルを追いかけ始めます。詳しくは述べませんが、そういう運命なのです。談話室でごっちくんがアニメを見始めます。それが終わりの始まりです。

 

閑話休題。本題に入ります。僕がこの手紙を書いているのは、君に未来を伝えたいから、というわけではないのです。単刀直入に言うと、僕は悩んでいます。君は全校生徒の前で「◯◯大学に現役合格をし、絶対に物理学者になる」と高らかに叫びましたね。一つ目の夢は叶いました。君もよく知るところです。詳細は言いませんが、君が叫んだその言葉が枷になり、かなり苦しんでいます。調子にのって余計なこといいやがって。しばらく気づいていませんでしたが、僕はアイデンティティを「物理をしている自分」もしくは「何かに向かって努力する自分」に求めていたらしいのです。今の僕は、何を目指せばいいのかわからくなってしまいました。

 

教えて下さい。今、人生で一番希望に満ち溢れた君は、どんな夢を持っていますか?どんな未来を描いていますか?大事なものは何ですか?好きなことは何ですか?譲れないものって何ですか?君が当たり前に抱いていたものが、今の僕にはわからないのです。時の流れは残酷で、4年間という時は人間の考えをそれなりに変えてしまうようです。考えても、考えても、何をしたら幸せになれるのか、そもそも僕はどんなことが幸せなのか、わからないのです。

捲し立てるように質問を投げかけてしまってごめんなさい。希望に溢れる君にこんな話をしてしまってごめんなさい。でも、それくらいに悩んでいるのです。

もし余裕があれば、今の君のお話を聞かせてください。僕はもう、昔のこと(卒業パーティーのことさえも!)は忘れてしまいました。歳ですね。

 

また進展があったら、お手紙を書きます。残り少ない離島ライフを楽しんでください。

機会があればいつか、海の見えるあの丘でゆっくりお話をしましょう。福岡の方ね。

それでは、また。

 

追伸

先史学入門は履修するな。

人生の岐路に立つ僕たち

友人達と4日間のお泊まり会をした。

愛媛に住む友人の家に、福岡から来た僕と、東京から1人、京都から1人集まった。こんな辺鄙な土地*1にこれだけ集まるのは彼の人徳の為すところで、相も変わらず裏表のない笑顔で僕たちを迎えてくれた。毎朝交代でご飯を作り、軽自動車で瀬戸内海を爆走し、地元の酒を飲んでばか騒ぎし、たまに真面目な話をしてみたり、狭い部屋に4人寝転がって仲良くいびきをかいて、本当に楽しい時間だった。軽自動車はちょっと壊れた。修理費で5万円飛んでいった。

どうであれ、こんな風に集まれるのは多分学部生の特権だ。今は全く物理に対する情熱はないけど、彼らと出会えて*2、こんな風に楽しい時間を過ごせたことを考えると、背伸びをしてでも物理をやっててよかったと思えた。

 

しかし、「あぁ、この4日間本当に楽しかった」、だけで終わるような気持ちになれないのも事実だ。

僕たちは岐路にたっている。今は同じ道を行くけど、きっと少しずつ別の道を歩むのだと思う。 大学院生になって、今よりもっと忙しくなって、いつか働き初めて、もうこんな風にみんなが集まってわちゃわちゃとするなんて出来ないんだろうなぁ、と思った。

みんな少しずつ新しい自分の場所を作り始めて、新しい職場や、新しい家族をもって、少しずつ価値観も変わって、もしかしたら噛み合わなくなってくる人も出てくるのかもしれない。自分を守ることで精一杯な僕たちも、「大人」になることを強いられている。だからこそ、この4日間自分達の欲望のために過ごせる時間は何よりも尊いもので、また、今までの陽気な暮らしに別れを告げ、ちょっとだけ「大人」になるための儀式でもあった。

この夢をいつまでも繰り返せればと願ってもむなしく、いつか過去になる日は白波の向こうに沈んでいき、僕の乗るフェリーは時間の矢に従って現実を目指し進んでいる。

 

数少ない、僕のことを好きでいてくれる友人達を想って、少しだけ瀬戸内海で泣いた。きっとそれが自惚れであったとしても、いつかそうじゃなくなってしまう日が来ても、少なくとも今の僕はとても幸せなんだと思う。

*1:愛媛県民ごめん

*2:彼らとは物理の夏の学校で出会った。たまたま性格や趣味が合ったこともあり、非常に仲良くさせてもらっている