昇り降りの日々

学務様が見てる

変わること、残したいもの

僕は昔から周りの環境が変わりやすい生活をしてきた。

引っ越しも多かったし、趣味もコロコロ変わる。そういった生活に身を慣らすうちに、同じ状態にいることを嫌うようになった。

大学に入ってもその傾向はあまり変わらず、いろんなものを転々と渡り歩いていた。

その傾向から、僕は1年前までは大学院を変えると思っていた。その証拠に、僕は3年の時からいろんな大学の研究室の見学に行った。

今大学院入試が終わって、蓋を開けてみると、2年製の頃からお世話になっている研究室に残ることになっていた。

正直僕はこの研究室の半分くらいの研究は全然興味がない。なのになぜ残ったのだろう、仮に修士から博士に進むとして、そのタイミングでも僕は研究室を変えることはあるのだろうか。そういうことを一ヶ月くらい考えていた。

一応研究室を変えるという選択肢はある。国内にあまりピンとくるとこはないけど、もし仮にドイツとかにあったら、DAAD奨学金を取ればドイツでPhDが取れる。

じゃあその選択肢が有力になったとして僕はそれを選ぶのだろうか?

研究室に限らず、僕は本当に環境を変えることに耐性があるのか、考えていた。

 

色々考えた結果、僕は環境を変えているように見せて、実際は安定したある一つの環境の中で何かしらをコロコロ変えているということがわかった。今の場合は、研究室にいかりを降ろし、その止まった船の上で色々とっかえひっかえしてやりたい放題しているということだ。

僕は港を変えることはなく、船の中の模様替えをして楽しんでいるだけだったらしい。

港を変えると、ほぼ根底からすべてを変えなきゃいけなくなる。安定した土壌の上にのみ成り立っていた僕の趣味や生活などは、かなりもろいものだった。

僕はこの港でまだやりたいことがいっぱいあるし、個々にあるものから離れられる気がしない。居心地が良すぎるのだ。

ぬるま湯に浸かっているのはわかっている。また僕はこのぬるま湯に浸かり続ける選択をしてしまった。

いつかここから出なきゃいけない。研究室に限らず、僕をなすあらゆる要素でも、だ。

錨を上げる度胸が、まだ湧いてこない。