胸に発生したトキメキを甘い金平糖に変えて、金魚の泳ぐ和紙で彩られた円筒形の缶に閉じ込める。
軽く振るとカラカラと音がして、こうしてまたトキメキを貯められた、という充足感に浸る。
一粒ずつ口に含んで、転がしてみたり、噛み砕いてみたり、たまにはそのまま飲み込んでみる。
すると、今日の思いがハッキリと再現するわけではないけど、記憶として思い出せるようになる。
欲張って鷲掴みにしてしまうと来年まで持たないので、ちょっとずつ、ちょっとずつ消費していく。
工業的に生成された砂糖は雑じり気無く甘くて美味しい。
やっぱり僕はこの甘さしか受け入れられない。