昇り降りの日々

学務様が見てる

マフラー

日本の都会では11月なのに雪が降ったらしい。しばらく気温が下がったままのようなので、これにて冬到来ということだろうか。

修羅の国もそれなりに気温が下がり、玄海灘から容赦なく吹き付ける冷たい風が僕らのキャンパスを襲い、あまりの寒さに今期初めてマフラーを巻いた。

元々南国に住んでいたこともありマフラーを巻いたことは無かったのだが、大学二年生の冬に、突然思い立ちマフラーを買った。その時から僕はこの長い布の虜になっている。マフラーを巻くと妙にわくわくするのだ。

 

別にこのマフラーは故郷の母が編んだでもなく、ましてや愛しの恋人が編んだわけでもない。そもそも僕は恋人がいない。ただ、なぜかこのマフラーを巻くと外に出たくてしょうがなくなる。

 

コートを羽織り、マフラーを巻き、ブーツを履き外へ向かい、暗い空に浮かぶ星を眺めながら煙草をふかし、かじかむ手を缶コーヒーで温め、思索に耽る(ふりをする)。本当にベタな酔い方だけれど、こんな風にカッコつけて季節に酔うのが大好きだ。ただ他人には見られたくないので、ほとんど人の通らない大学の裏の川辺でよくやっている。(もし見かけたとしても見ないふりをして通り過ぎてほしい。)

 

 

しかしこのわくわくは何由来なのだろう。色合いやデザインが単純にドンピシャだっただけなのだろうか。それともガキの頃にマフラーを巻かなかった分のわくわくが今になって襲ってきているのだろうか。

(試しにgoogle先生に尋ねてみたが、車やバイクのマフラーを変えている人しか見当たらなかった。)