昇り降りの日々

学務様が見てる

過去の自分を嫌うこと

僕は、過去の自分が嫌いだ。嫌な思い出も、何もかもを、過去の自分という、自分とは違う別人に押し付けて嫌うことで心を保っている。

一度は掴んだ栄光も、頂から見たあの光も、すべては幻で、その幻は僕のすべてを根こそぎ奪っていった。なら、空っぽになった瞬間から自分を切り離せばいいのだ。新しい何かでそれを満たして、生まれ変わればよかったのだ。過去の友人とはほとんど連絡を取らなくなった。彼らは僕を知っている、だからこそ忌むべき存在になってしまった。

教育実習をやめたのも、本当は過去の自分と向き合いたくなかったからだ。あのときの僕の残滓があの地には残っていて、何もかもがそれを想起させる。

 

きっと今生きてるこの瞬間も、未来の僕に嫌われてしまうのかもしれない。何もかもを捨てて刹那的に生きること、自分を嫌いになりきれずにいること、本物に過剰にこだわること、こんな醜い姿なら、そうなってもしようがないとも思うけど。

 

自分のものだと思っていたものが消えていくとてつもない喪失感、まして自分の心ともなればその苦しみはどれぐらいになるのだろう。認めたくない、僕は僕のままだ。過去の自分なんていなかった。僕はこの瞬間から生まれて死ぬのだ。きっとそうしてくれないと、すべてを覚えていてしまうから、きっと僕はそれを受け入れる強さと優しさを持ち合わせていない。

僕はあのときの×みたいにはなれない。だってそれも幻だから。幻を抱いたまま眠り、それと共に目が覚める。それがまた、僕を空っぽにする日を、僕のすべてを根こそぎ奪っていってくれる日を心のどこかで待っているのかもしれない。

 

殴り書き。