昇り降りの日々

学務様が見てる

人生の岐路に立つ僕たち

友人達と4日間のお泊まり会をした。

愛媛に住む友人の家に、福岡から来た僕と、東京から1人、京都から1人集まった。こんな辺鄙な土地*1にこれだけ集まるのは彼の人徳の為すところで、相も変わらず裏表のない笑顔で僕たちを迎えてくれた。毎朝交代でご飯を作り、軽自動車で瀬戸内海を爆走し、地元の酒を飲んでばか騒ぎし、たまに真面目な話をしてみたり、狭い部屋に4人寝転がって仲良くいびきをかいて、本当に楽しい時間だった。軽自動車はちょっと壊れた。修理費で5万円飛んでいった。

どうであれ、こんな風に集まれるのは多分学部生の特権だ。今は全く物理に対する情熱はないけど、彼らと出会えて*2、こんな風に楽しい時間を過ごせたことを考えると、背伸びをしてでも物理をやっててよかったと思えた。

 

しかし、「あぁ、この4日間本当に楽しかった」、だけで終わるような気持ちになれないのも事実だ。

僕たちは岐路にたっている。今は同じ道を行くけど、きっと少しずつ別の道を歩むのだと思う。 大学院生になって、今よりもっと忙しくなって、いつか働き初めて、もうこんな風にみんなが集まってわちゃわちゃとするなんて出来ないんだろうなぁ、と思った。

みんな少しずつ新しい自分の場所を作り始めて、新しい職場や、新しい家族をもって、少しずつ価値観も変わって、もしかしたら噛み合わなくなってくる人も出てくるのかもしれない。自分を守ることで精一杯な僕たちも、「大人」になることを強いられている。だからこそ、この4日間自分達の欲望のために過ごせる時間は何よりも尊いもので、また、今までの陽気な暮らしに別れを告げ、ちょっとだけ「大人」になるための儀式でもあった。

この夢をいつまでも繰り返せればと願ってもむなしく、いつか過去になる日は白波の向こうに沈んでいき、僕の乗るフェリーは時間の矢に従って現実を目指し進んでいる。

 

数少ない、僕のことを好きでいてくれる友人達を想って、少しだけ瀬戸内海で泣いた。きっとそれが自惚れであったとしても、いつかそうじゃなくなってしまう日が来ても、少なくとも今の僕はとても幸せなんだと思う。

*1:愛媛県民ごめん

*2:彼らとは物理の夏の学校で出会った。たまたま性格や趣味が合ったこともあり、非常に仲良くさせてもらっている