別れとはなんだろうか。
多くの場合は価値観の相違、もしくは選択の相違によりそれぞれ別の道に進むときに発生するものだ。
それを指して「人生の分岐点」なんて言われたりもする。
今まで歩んできてきた道も、これから行く道も無数の「わかれ道」があって、たくさんに別れて繋がって、人生は絡み合っている。
でももし、真っ直ぐの一本道で一緒に歩いてきた私と彼女なら。
「わかれ道」の無い道で別れなんて発生しないはずだった。
物心がついたときには、彼女はそこにいた。
同じアパートに住み、同じ保育園で泥だらけになって、同じ学校で義務教育を受けて、そして同じ夢を持っていた。
その夢は私達だけが共有する秘密のもので、でも誰に誓わずとも絶対に叶うものだと無邪気に信じていた。
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「私は、あなたを理解できない」
私と彼女は同じ道の上にいる。
わかれ道なんてどこにもない。
ただ、私が歩みを止めたのだ。