「星川銀座四丁目」という漫画を読んだ。
買いました✌️ pic.twitter.com/HDsggdMLo4
— はしごちゃん (@G_a_chocolat) June 24, 2018
この画像見てからずーっと気になってたので
— はしごちゃん (@G_a_chocolat) June 24, 2018
(RTで「今日も一日」というコメントと一緒に流れてきてた) pic.twitter.com/xfwBqEpAnd
よく界隈*1で「今日も一日」という言葉とともに、その日の絶望の感情を表す画像が貼り付けられて呟かれていて*2、上記の画像も数あるその中のうちの一つでしかなかった。ただ、このシーンだけは、何か放っておけないような、何か心に引っかかるものがあり、ずっと気になっていた。 おそらく湊の顔が全く見えない、それに対して乙女のただならぬ表情と叫び、というのが心の何処かを突き刺したのだと思う。 というものの、悪い癖で「今度買いに行こう」と思ってずっと放置していた。そして一昨日、Amazonのほしいものリストを整理したらこの漫画の存在を思い出し、待っててもどうせ買わないので思い立ったが吉日、映画を見に行くついでに買いに実店舗に買いにいった。 前評判を聞いていたのでわかりきっていた結果だが、案の定ツボだったのでレビューを書こうと思う。
あらすじ
『星川銀座四丁目』(ほしかわぎんざよんちょうめ)とは、玄鉄絢による漫画作品である。
ストーリー
那珂川湊と松田乙女。 湊は学校の先生。乙女は小学6年生。 湊は家事がまったくできないダメダメな人。 乙女は小学生なのに料理や掃除をやってのけちゃうできる女の子。 そんな半分ほどの年の差がある対照的な二人が、共同生活を送ることになった。
星川銀座四丁目 - ニコ百
連載が始まったのは10年前で終わったのが5年前なので、少し僕は出遅れている。去年新装版が発売されたことを考えると、それなりの間愛されている作品なのだと思う。
ジャンルとしては百合作品、その中でも特におねロリという分野らしい。 しかしその括りはもはやどうでもいい。この漫画は、百合作品(もしくは同性恋愛作品)によくある「恋仲にある二人をただひたすら愛でる」ようなものではない*3…ということをとりあえず書きたい。
感想
あらすじにある通り、主人公は小学6年生の「乙女」、そしてその13歳年上の学校の先生「湊」であり、二人の約10年間の中での成長、そしてその中で揺れる愛情を書いたものである。
「おねロリ」という言葉があることを思うと、界隈の中ではよくあるシチュエーションなのだと思う。だが、これは百合、もしくはおねロリというジャンルを隠れ蓑にしているが、中を覗けば、互いに愛し合う二人の人間の人生でしかない。
こういった作品は「百合である」ことが目的になることが多いけれど、先に述べた通り、この漫画は百合作品によくある「恋仲にある二人をただひたすら愛でる」ようなものではない。運命の巡り合わせで出会った二人がたまたま年の離れた女性同士であった、そして年が離れているからこその葛藤、同性だからこそ生まれるストーリーがそこにあるだけなのだ。そして、いいとこ取りしただけの平らな人生のまとめではなく、彼女たちが必死に生きて手にした幸せなのだ。
その10年以上に渡る短いようで長い、彼女たちの濃厚な人生をこうやって漫画という形で共有できる、なんて幸せな時代に生まれたのだろうと思う。
百合というジャンルの中では少しクセのある作品だと思うが、純粋で重厚な恋愛ストーリが好みな人には向いていると思う。新装版は上下巻2冊だけなので、ぜひ読んでみてほしい。
追記(6/26)
角川のHPに試し読みがありました。例のシーンの直前までですが、是非どうぞ。