昇り降りの日々

学務様が見てる

僕の好きなこと

僕は新しいものを見るのが好きだ。

それは、世界で初めての物じゃなくてもいい。

他の誰かがそれを見たことがあっても、それを知っていても、僕にとって新しければそれでいい。

 

僕は旅に出るのが好きだ。

見たこともない土地に人が住んでいる、見たこともない店に毎日通っている人がいる、その事実が僕にとって何よりも衝撃だ。

 

僕は歴史を見るのが好きだ。

その土地に誰かが住んでいた、僕の足の踏み入れたことのない土地に足を踏み入れた人間がいる。僕の住んでいるこの島は、どこまでも人間に踏破されている。その事実を目の当たりにするとき、僕は人間の歴史の長さと偉大さを感じる。

 

僕にとって物理を勉強することは、旅に出て、歴史を感じて、自分にとって新しいものを見ることと同じだ。

 

でも、僕は果たして、誰も踏破したことのない土地を踏破したい、誰も見たことのないものを見たいという欲望はあるのだろうか。

それはつまり、アカデミアの世界に身を投じ、世界でだれも見たことがない現象を発見することに楽しみを見出せるのだろうか、ということである。

 

 

僕は探検家ではなく、ただの旅人なのではないだろうか。