昇り降りの日々

学務様が見てる

将来に対する唯ぼんやりとした不安が体に緩くまとわりついている。

済んだ空気に浮く湖を見た土曜日、その時だけはなんとなくの幸せを感じていたけど、次の日東京に向かう電車の中で、街がまとう空気が少しずつ重くなっていくのを感じた。

自分は本当にいい職業についている。
東京の過密な情報におぼれていてもなおそれがわかる。
だけどふと中身が空洞化していく自分に気づいたとき、周りの情報の圧に押しつぶされて崩れそうになる。
少しずつ自分の中から自分を構成するものが消えて、内圧が下がっていく。
何かを見たときに湧き上がるやる気だったり、創作意欲だったり、そういったものが日に日に薄くなっていく。
きっとこのままだと、ただ薄っぺらい「感動」に成り下がるのだと思う。

こうやって紡ぐ言葉も段々と薄くなってきて、何か自分の中にある不安感すらも形にできなくなっている。
例えマイナスであれプラスであれ自分の中にある激情のようなもので記事を書いていたけど、それすらもできなくなると考えると怖い。

底のない穴が自分の中にある。
小さな穴だけど、少しずつ自分の中のものを深い底に奪っていく。

今の気持ちをうまく言葉にできた自信がない。
唯ぼんやりとした不安、それが一番適切だからと使った言葉もかつての文豪から盗んだ言葉だ。

ただ僕の周りの人間が幸せであってほしい、それに対して僕は何か寄与するようなことをしないけど、唯一自分の中で言語化されている。
友人皆が僕を置いて行った時が、真のその時なんだと思う。