昇り降りの日々

学務様が見てる

大人

自己紹介をします。

スクリーンネームははしご、もうすぐ大学院生の22歳です。

 

そう、22歳なのだ。わかるか、君は「大人」なんだよ。

本当は「社会人」として世にでて、「社会」に貢献しなければいけない歳なんだ、わかるかい?君は一円も自分で稼いでない。アルバイトはそれに入らないよ。税金も納めてないのに文句を言うなよ。自分で選んだ道だろ、もう「大人」なんだから、しっかりしなさい。

 

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想定通りの想定外

こんにちは、高校生の僕。卒業パーティーは楽しめましたか?彼女は大事にしていますか?卒業おめでとう。僕は4年後の君です。僕は無事に留年もすることなく、ストレートで卒業を決めました。でも卒業するまでにちょっとだけ苦労することを伝えておきます。まあ、僕が悪いんだけどね。僕は今、論文を読むことを諦めてお酒を飲んで暖かい布団の中で音楽を聞いています。最近またUNISON SQUARE GARDENにはまっています。オリオンをなぞってた彼らです。多分CIDER ROADというアルバムは発売されてるはずなので聴いてみてください。「シャンデリア・ワルツ」という曲がお気に入りです。

 

さて、君は無事に志望校に合格して、未だ見ぬ物理(もしくはアカデミア)の世界への憧れを抱いていることでしょう。意外かもしれませんが、僕は今物性系の研究室にいます。今の君は素粒子が世界の全てだと思っているかもしれないけど、思いの外物性も面白いんですよ。学生生活も、想像していたものとは違うけど、それなりに充実しています。相も変わらず先輩には恵まれています。少ないけれど、大切だと思える友達もいます。今振り返ると4年間は想像以上にあっという間で、何もかもが新しかった高校時代とはちょっと違ったなぁ、と感じています。あと、これだけは言っておかなければならないのですが、君はまたオタクに戻り、ついにアイドルを追いかけ始めます。詳しくは述べませんが、そういう運命なのです。談話室でごっちくんがアニメを見始めます。それが終わりの始まりです。

 

閑話休題。本題に入ります。僕がこの手紙を書いているのは、君に未来を伝えたいから、というわけではないのです。単刀直入に言うと、僕は悩んでいます。君は全校生徒の前で「◯◯大学に現役合格をし、絶対に物理学者になる」と高らかに叫びましたね。一つ目の夢は叶いました。君もよく知るところです。詳細は言いませんが、君が叫んだその言葉が枷になり、かなり苦しんでいます。調子にのって余計なこといいやがって。しばらく気づいていませんでしたが、僕はアイデンティティを「物理をしている自分」もしくは「何かに向かって努力する自分」に求めていたらしいのです。今の僕は、何を目指せばいいのかわからくなってしまいました。

 

教えて下さい。今、人生で一番希望に満ち溢れた君は、どんな夢を持っていますか?どんな未来を描いていますか?大事なものは何ですか?好きなことは何ですか?譲れないものって何ですか?君が当たり前に抱いていたものが、今の僕にはわからないのです。時の流れは残酷で、4年間という時は人間の考えをそれなりに変えてしまうようです。考えても、考えても、何をしたら幸せになれるのか、そもそも僕はどんなことが幸せなのか、わからないのです。

捲し立てるように質問を投げかけてしまってごめんなさい。希望に溢れる君にこんな話をしてしまってごめんなさい。でも、それくらいに悩んでいるのです。

もし余裕があれば、今の君のお話を聞かせてください。僕はもう、昔のこと(卒業パーティーのことさえも!)は忘れてしまいました。歳ですね。

 

また進展があったら、お手紙を書きます。残り少ない離島ライフを楽しんでください。

機会があればいつか、海の見えるあの丘でゆっくりお話をしましょう。福岡の方ね。

それでは、また。

 

追伸

先史学入門は履修するな。

人生の岐路に立つ僕たち

友人達と4日間のお泊まり会をした。

愛媛に住む友人の家に、福岡から来た僕と、東京から1人、京都から1人集まった。こんな辺鄙な土地*1にこれだけ集まるのは彼の人徳の為すところで、相も変わらず裏表のない笑顔で僕たちを迎えてくれた。毎朝交代でご飯を作り、軽自動車で瀬戸内海を爆走し、地元の酒を飲んでばか騒ぎし、たまに真面目な話をしてみたり、狭い部屋に4人寝転がって仲良くいびきをかいて、本当に楽しい時間だった。軽自動車はちょっと壊れた。修理費で5万円飛んでいった。

どうであれ、こんな風に集まれるのは多分学部生の特権だ。今は全く物理に対する情熱はないけど、彼らと出会えて*2、こんな風に楽しい時間を過ごせたことを考えると、背伸びをしてでも物理をやっててよかったと思えた。

 

しかし、「あぁ、この4日間本当に楽しかった」、だけで終わるような気持ちになれないのも事実だ。

僕たちは岐路にたっている。今は同じ道を行くけど、きっと少しずつ別の道を歩むのだと思う。 大学院生になって、今よりもっと忙しくなって、いつか働き初めて、もうこんな風にみんなが集まってわちゃわちゃとするなんて出来ないんだろうなぁ、と思った。

みんな少しずつ新しい自分の場所を作り始めて、新しい職場や、新しい家族をもって、少しずつ価値観も変わって、もしかしたら噛み合わなくなってくる人も出てくるのかもしれない。自分を守ることで精一杯な僕たちも、「大人」になることを強いられている。だからこそ、この4日間自分達の欲望のために過ごせる時間は何よりも尊いもので、また、今までの陽気な暮らしに別れを告げ、ちょっとだけ「大人」になるための儀式でもあった。

この夢をいつまでも繰り返せればと願ってもむなしく、いつか過去になる日は白波の向こうに沈んでいき、僕の乗るフェリーは時間の矢に従って現実を目指し進んでいる。

 

数少ない、僕のことを好きでいてくれる友人達を想って、少しだけ瀬戸内海で泣いた。きっとそれが自惚れであったとしても、いつかそうじゃなくなってしまう日が来ても、少なくとも今の僕はとても幸せなんだと思う。

*1:愛媛県民ごめん

*2:彼らとは物理の夏の学校で出会った。たまたま性格や趣味が合ったこともあり、非常に仲良くさせてもらっている

怒られるのが本当に怖い

これは「言い訳」である。

 

タイトルの通りだ。怒られるのが本当に怖い。怒られること自体もそうなのだが、怒られるのではないか、という実際に起きてないことに対する恐怖もかなりある。

叱られることじゃなくても、ちょっと指導をされたり、大きめの声で名前を呼ばれるだけでも心が思い切り握りつぶされるような気持になる。

僕の大学の教員に、激しいアカハラを受けて心が壊れてしまった先生がいて、その先生の口癖が「怒られたらどうしよう…」なのだ。作業中の学生が集まった、静まり返った実験室にそのひとりごとがただひたすら響く。みんなそれをバカにしていたけど、正直僕は笑えなかった。みんな同じような感情を持ってると思ってたけど、どうやら違うらしい。

 

最近はないが、僕も精神が擦り切れてるときは虚空に向かって「ごめんなさい」とひたすら連呼してしまうことがある。突然心臓の下の方がぎりぎりと締め上げられるような感覚に襲われて、見えない恐怖にただひたすら許しを請うしかなくなってしまう。ドアを開け閉めする音も、足音でさえも僕を追い詰める。それを唱えたって心が楽になるわけじゃなくて、むしろどんどん追い詰められていってしまったしまいに叫びだしてしまう。

なんでこうなってしまったのかわからない。幼いころの指導なのか、中学生くらいの悪しき歴史のせいか。

小学生の頃にもすでに「怒られたらどうしよう」という感情があった。虚空に許しを請うのではなく、その形の恐怖が襲ってきたとき、ただひたすら泣き続けていた。多分あの頃の僕は学校で一番泣き虫だったかもしれない。

でも、成長するにつれ、泣くことが許されなくなって、代わりに逃げ出すことを覚えたけど、大学の終わりが近づいてきて、みんなが言う「社会人」は逃げることが許されないことをなんとなく悟り始めた。

大学時代のトラブルは、ほとんど逃げることで解決してきた。怒られないために、考えないようにするために、すべてを放り投げて逃げ出していたけどこの先どうすればいいのだろう。明確な解決策を見出して、身につけないと、少なくともこの研究室ではやっていけない。

 

これを人に相談すると、「怒られないようにすればいいじゃないか」といわれる。でも、君はすべてを想定できるか?どうやったって人間には隙があって、忘れてしまうことがあって、怒られてしまう。怒られてしまうと、見えない魔物がまた一匹心に巣くって、僕の心臓を締め上げる。

 

こうやってつらつら書き連ねたことは、他人から見るときっと「言い訳」で、実際それは正しいのだけど、僕の心の中の問題が何も解決しない。

これが理由なんです、というかなり根本的な原因に心当たりがあるのだけど、それは「社会」では「言い訳」になってしまうらしい。僕自身もその原因に逃げてしまうことが多々あるので、人には絶対に言わない。その原因は無いように振舞って生きていくしかない。

 

誰かが「切り替え」ができるとよい、と言っていたので頑張ってみてるけど、寝ることでしか切り替えができない。その場でバチっと切り替えができる人は健常な精神状態の時でも心の中に人間が複数あるのだろうか。

 

今の僕だって、本当は誰かに泣き叫びながら抱き着いて許しを請いたい。でも成長するうちに、そんな姿は誰にも見せたくない、というプライドが芽生えてしまった。この問題は、自分で何とかしなきゃいけない。

今の現状、この先どうするか

少し気持ちが冷静になったので、色々まとめようと思う。

 

まず結論から言うと、研究が楽しくない。

「研究」とよばれるもののスピードと正確さについていけない。

昔の記事にも書いたけど、僕は未開の地を開拓することが好きなんじゃなくて、自分にとっての新しい場所を旅するのが楽しかったのだなぁ、と思った。気付いてないふりをしてたけど、そろそろ進路を真面目に考えなければならない時期になって、やっと自分の現実に少しずつ目を向けられるようになってきた。

僕は他の人間の思考したことを盗んで自分のものにして、上辺だけ考えてるふりをしてただけだった。幸いか不幸か、僕の周りの人たちは賢い人が多く、その人達と一緒に勉強する機会も多かった。その中で自分は自力で考えることをせず、そこで得られた「知識」を別の場所で自分のもののように見せびらかしていた。

そうやって上辺の知識を塗り固め、基礎も深い理解もなかったままここまで来てしまった。複素関数論とか何もわからん、留数って何。揺動散逸定理って何だ。理論の名前だけいっぱい知ってる、中身は全くわかんない。やったふりでやったことになる。ごまかしだけとても得意になっている。

 

今自分は研究室の活動を義務としてこなしている。週に一回の進捗報告、2ヶ月に一回のLong talk、これらのミーティングのたびにいがキリキリする。質問の意味さえわからない。僕に投げかけられる質問すべてがナイフのように刺さる。義務としてそれを淡々とこなそうとするけど、その前に心が荒れてしまう気がする。たった半年で、しかもかなり手加減してもらった状態でこの有様だ。あと二年間僕は戦えるのだろうか。大学院の入学書類の提出猶予はあと3週間ある。多分入学書類提出すると思うけど。住む場所もなくなっちゃうし奨学金も止まって生活ができなくなる。現状はこの3月で必死に未来のことを考えて、モラトリアムの中で打開策を考えるしかない。

 

しかし義務感で研究をやってるとは言ったものの、世の中のものって大抵そうなんじゃないのか?仕事とかを心の底から楽しいと思ってやってる人ってどれくらいいるんだろう。

もっと根本的なことを解決しないと、仮にアカデミアの道から逃げ出して就職しても、同じように逃げ出してしまう。

「自分が持ってるもので戦うしかないんだよ」と学部二年の頃先輩に言われた。今僕は何を持ってるのだろう。もっと冷静に見つめ直さなきゃいけない。どれだけ真面目な人でも、物理のすべてを知りえない。ましてや世界のすべてなんて知りっこない。開き直りが必要なのか?努力が必要なのか?どの方向に進めばいいんだ?

また目の前が真っ暗になって、右に行ったり左に行ったり、進んでみたり戻ってみたり、自分が今どの方向に進んでるかもわからない状態でジタバタしている。取り合えす動いてみて今自分の周りに何があるかを把握しなきゃいけない。

 

最近良く「言い訳が多いよね」「逃げじゃないの」と言われることが格段に増えた。実際その通りなのだけど、結局そんな自分に付き合っていかなきゃいけない。まあ言ってしまえば努力がしたくない、必要最小限の力でどうにかしたい、道を進むなら最短経路がいい、っていう昔からの自分の思想のせいもあるかもしれない。やっぱり僕が間違ってるなかなぁ。正直何もかも捨てて投げ出したいけど、今自分の立ってるところが不安定すぎて、逃げ出したあとに帰ってくる場所が無くなってしまう。プチ失踪くらいでとどめたい。

 

自分の中だけでゴニョゴニョしてるだけなので、人にも相談したい。どうも最近追い詰められると視野がめっちゃ狭くなる。

 

何をしたらいいんだろうか、ということ

自分の周りの状況は今どうなってるのか

自分の持ってるものってなんなのか

これを最低限でもわからなきゃいけない。

スーパー自分大好きタイム

今日もいつも通り傷口をえぐって精神的な自傷をしていたのだが、たまたま、昔とあることがきっかけで全く受け付けなくなった傷口を見つけてしまい、抉ってみたら過去最高に気持ちよくなってしまった。

それをえぐった瞬間にいろんな正の欲求が出て来て、ビックリするくらい笑いが出て、そんなことをしてしまってる自分が最高に好きになってしまった。

今日の僕は無敵だ。自分大好きパワーが満ち溢れていて、なんでもできる気がする。どれだけ深くたくさんの傷口を抉っても、どこを抉っても最高に気持ちいい、初めての感覚だ。毎日こうであってほしい、最高の全能感に包まれていて、このまま思いきり長く助走をつけて理学部棟の屋上から跳びたい、多分今なら最高の気分で飛べる。

でもパンピはいつもなにも考えずにこんな全能感を手にいれてるのかと思うとムカついてきた。こうていかんを自力でしか作り出せない僕。

違う、これは進化した形なんだ、独立した個体のなかで精神を満たすことができる、外部のものには依存しない、僕はそれができる、最高。

でもどうせ、明日にはうつ状態にストンと脱励起するんだろうなぁ、毎日こんな生活送りたい。

夢を追いかける幻

いつか夢は終わって、その記憶は少しずつ消えていって、最後には忘れてしまう

でもきっと心の何処かに残ったその欠片を、心の片隅に抱えて、チクチクとした何かを感じながら生きていくことになる。

 

終わらない夢の始まりをみていた過去の自分と、終わらない希望の終わりを見た自分と、終わらない空虚を漂う僕。

小さな翼だけど、それでも、どこまでも行けると信じていた。思いきり助走をつけて、きっとどこか遠い理想郷へ、踏み切ったその先、飛んでいたと思っていた僕には翼なんて生えてなくて、ただ空を舞いながら落ちているだけだった。地面が近づいてきているのに気がついたのはつい最近で、ゆっくり死ぬときを待っている。

 

いつまでも青春の亡霊を追いかけている僕はあと数年で学生という大きなアイデンティティをなくす。僕が追いかける亡霊はますます遠ざかり、呪いは遠くなるほど強くなり、手に入らないものほど欲しくなる。

 

一つのことに夢中な君は何よりも美しい、時が止まったまま、何にも目をくれず、その場所で輝き続けてほしい。外の世界なんか、知らないほうが幸せだから。