テレビ線を抜いた。
感染症の話題が大事になってからというもの、家に引きこもることが多くなり何となくでテレビを見る時間が増えていた。
不安をあおる、誰かの怒りを流す、そういうことが起きていることは理解していたけれど、また何となくで電源をつけてテレビを見てしまう。
今時やってるものなんてニュースしかないのに。
生活リズムが壊れた。
いや、正確には規則正しく生活できているのだけれど、昼夜が逆転している。
頑張って0時に寝たのに、1時間で目が覚める。
これだけ頑張ったのに自分からこの仕打ちでは泣きたくなってしまう。
適当に色々調べて焚き火の音を聞いたり、ごはん食べてみたり、薬を飲んでみたりしてもダメ。
だから昨日は全てを諦めて本を読んだ。
ラジオを80MHzに合わせて、枕元の小さな明かりだけをつけて、椅子に揺ったりと腰を掛けて微塵もわからない本を読む。
『レーニンとロシア革命』、何回か読んでいるけど毎回毎回「こんなこと書いてたっけ」と自分の教養の無さと読解力のなさに驚く
眠れなくて3時間ほどゆるゆると読み進めたけど、すごく心地のいい時間だった。
部屋を完全に締め切って、尖った波が耳や目に入ってこないようにした、限られた灯りの中で過ごす時間は、多分キャンプのときに自然の音のなかで空を眺めるあの感覚に似ていた。
夜に聞くラジオの音は本当に心地よい。
一人で近況を語る人、数人で話題のあの人の話をするアイドル(不思議とうるさくない)、深夜の人間にチューニングされた音楽に身を任せて、たまに本を閉じて目を閉じると、睡眠とは違うけれどそれと同等の脱力感が体をゆっくりと宙に持ち上げる感覚に包まれる。
今日は久しぶりにスクールオブロックを聞いた。
リスナーとのやり取りのあの絶妙な間があの頃となにも変わらなくてちょっと笑ってしまった。
多分今の僕にはラジオのような、ノイズ混じりの柔らかい音が向いているのだと思う。
暗闇のなかで耳だけを機能させて今日も睡眠代わりの脱力を手に入れる。
……今気づいたけどアニメ録画できないな。
繋ぎ直しました。